消化器系
消化器系の対象疾患は,上部および下部消化管・肝臓・膵胆道系にわたります.この分野には,我が国における重要な疾患である各種消化器癌(胃癌,大腸癌,肝癌,他)が存在するのみでなく,最も一般的な内科疾患であるとともに近年病因論の大転換(Helicobacter pylori《H.pylori》の発見)を経験した消化性潰瘍や,欧米でも重要性を増しつつある肝炎ウイルス関連疾患が含まれております.また,当科ではそれら各疾患の診断,治療にあたっています.
検査について
内視鏡検査
内視鏡検査とは,口からファイバースコープを挿入して食道・胃・十二指腸の内部を診る検査です.一般的には,年齢の若い方ほど咽頭の反射が強く苦痛を感じる人が多いようです.内視鏡検査の際,喉に軽い麻酔剤を塗布してその反射を軽減するやり方が一般的です.近年では医療技術の発展により,以前よりファイバースコープの管が細く,楽に検査が受けられる様にしております.当院では熟練した医師が検査を行っており,安心して検査を受けていただけるようにしています.
内視鏡検査の風景
注腸検査・大腸内視鏡検査
これらの検査は肛門から造影剤を入れて直腸をレントゲンで撮影したり,肛門から内視鏡を挿入して大腸を直接診たりする検査です.近年,日本人の食生活は大きく変化し,腸の疾患が急増している状況です.便検査で一度でも潜血反応が見られた方は,この検査をおすすめします.
疾患について
消化性潰瘍
原因は多彩ですが,胃酸の消化作用によって発生する組織の欠損です.そのため胃酸分泌抑制剤による治療が一般的であります.また消化性潰瘍の約90%でH.pyloriの感染が観られ,抗菌薬で除菌することにより潰瘍の再発率が著しく低下することが明らかとなっています.最近,この除菌療法が保険診療の適応となり,当科では,感染者に対して積極的に治療を行っています.